四条河原町近くにある権太呂本店のふわとろ卵と出汁が自慢の名物けいらんうどんは京都の冬の定番グルメ

すっかりと秋めいてきて朝晩の寒さが日に日に増してきました。寒くなってくると温かいものが食べたくなります。そこで京都屈指の繁華街である四条河原町近くにある『権太呂』（ごんたろ）本店に名物のけいらんうどんを食べに行くことにしました。権太呂は麺料理専門店です。本店は四条通りから麩屋町通りを北に入ったすぐのところにあり、趣のある店構えからは老舗の風格が漂います。お店は地下一階地上五階の大きな建物です。

一階の店内に入る和服姿の女性の店員さんが応対してくださいました。一階には石畳のまっすぐな通路があり、奥行きを感じさせます。一階にも客席はありますが二階には掘りごたつの客席があるとのことで、足を楽にできそうな二階の堀ごたつの席へと案内していだだきました。

二階に行くと仕切りがいくつもあり、半個室のような造りになっていました。掘りごたつの席は座りやすくテーブルも大きくて、半個室のようでありながらも開放感を感じる客席です。和食店と掘りごたつの組み合わせは最高！

メニューは種類が豊富です。お目当ての『けいらん』は権太呂の名物の一つともいえるメニューで、麺の上に卵のあんかけが乗ったものです。麺はうどんとそばの二種類から選べます。今回はうどんを選択し、けいらんうどんを注文することに。

けいらんうどんが運ばれてきました。麺類に蓋がされていることは珍しい！卵のあんかけが乗っているので、ちゃんとレンゲも付いています。少しドキドキした気分でそっと蓋を外してみると・・・。

蓋を外した途端、ふわりとお出汁の良い香りが立ちのぼってきました！卵のあんかけは器いっぱいに乗って下のうどんが見えないほどです。卵はふわふわとろとろ、うどんはモチっとしているのにのど越しが良く、あんかけのとろみがよく絡みます。お店自慢の出汁は手間ひまかけて仕上げられているだけあって香り高く、食欲をそそります。ショウガも乗っているので体がポカポカと温まりました。ふわとろ卵と自慢の出汁の名物けいらんうどんはまさに京都の冬の定番グルメ！もちろんけいらんそばも絶品です。

食後に抹茶わらび餅のサービスがありました。ねっとりとした食感で、濃厚な抹茶の風味は和食の後のデザートにぴったり！甘味処ではなく和食のお店のわらび餅なのに本格的なおいしさ！抹茶わらび餅は単品メニューもあります。

権太呂本店を出て、京都の街中をぶらり散策することに。麩屋町通りにある漬物店『千枚漬本家　大藤』の前を通りかかった時、お店の前には袋に入った聖護院かぶら（かぶ）の皮が置いてありました。大藤はかぶのお漬物である千枚漬発祥のお店と言われている老舗漬物店です。冬にはお漬物になった聖護院かぶらが店頭に並ぶことでしょう。

次に京都の台所ともいわれている錦市場をぶらり。錦市場は東西約400メートル、店舗数は100を超えます。乾物や鮮魚、鶏卵や惣菜など、ありとあらゆる食材が揃います。錦市場のイメージカラーである鮮やかな色彩のアーケードも特徴的です。

錦市場を通り抜け、四条烏丸交差点近くにある和菓子店『鼓月』（こげつ）の四条烏丸店へとやってきました。一階には鼓月の様々な商品が並び、二階には茶房（カフェ）があり、ぜんざいなどの甘味が楽しめます。

鼓月の代表的銘菓である『千寿せんべい』を一つ購入してみました。千寿せんべいは波うったヴァッフェル生地でシュガークリームを挟んだ洋風のお菓子です。バターの甘い香りはどこか懐かしいものがあります。縁起の良い名前なので、贈り物としても最適です。

権太呂本店でおいしいけいらんうどんを味わい、その後の散策の途中で千枚漬の大藤、京都の台所の錦市場を通り、鼓月の千寿せんべいを楽しんだ一日を振り返ると、京都にはおいしいグルメがあふれていることをつくづく感じます。また、京都の食文化の歴史を知ると、京都のグルメにますます興味がわくことでしょう。京都で育まれた四季折々のこだわりの味にぜひ触れてみてください。