宇治にある琴坂で有名な興聖寺で異国の雰囲気を味わい福寿園宇治茶工房では定番の大納言小豆ぜんざいを味わう

宇治の興聖寺は永平寺で有名な道元禅師が開いた日本曹洞宗最初の歴史ある寺院。唐風龍宮造りの山門はどことなく海神にまつわる伝説に登場する龍宮城のよう・・・。天保年間の改築だそうです。

総受処には木魚の原型といわれている開パンが吊り下げられています。その昔、叩く音で法要や朝昼晩の食事の時間を知らせていたようです。キズだらけの開パンの現状を見ていると当時の様子が浮かんでくるようでした。

興聖寺は立入禁止場所以外すべて写真OK！とてもありがたいです。知祠堂に祀られている聖観音菩薩立像（手習観音）は平安時代中期の本格的彫像で宇治市の文化財に指定されているそうです。江戸時代初期に源氏物語の宇治十帖ゆかりの地として知られる手習の社からこちらに移されたそうです。光沢のある立派な観音様でした！

血天井で知られる法堂で手を合わせてから老梅堂（開山堂）へ。清潔感のある老梅堂内は道元像の等身大の木像などが安置されています。とにかくキレイな老梅堂！手を抜くことなく隅々までお掃除をされる修行僧の方々には感心させられました。

自慢の美しい庭もしっかりと整備されています。異国情緒が漂う石組が特徴的な内庭・・・。眺めているとお寺であることを忘れ何だか不思議な気分になりました。

三門からの琴坂（参道）は絵になります。宇治で一番の人気を誇る紅葉スポットとなっていますので来月の中旬あたりには赤色や黄色に色づいた見事な紅葉が楽しめることでしょう。

興聖寺を後にしてサントリーの伊右衛門でおなじみの福寿園宇治茶工房へと向かいます。ゆっくりと木々のトンネルを歩きながら宇治川の流れの音を耳で楽しむ・・・。

10分ほどで福寿園宇治茶工房に到着しました。京町屋ではありませんが純和風の立派な木造の建物です。1Fが宇治茶などを販売する売店になっていて、2Fが豊富な甘味メニューが楽しめる和カフェ（福寿茶寮）となります。

店内は宇治茶の色をモチーフにしているようでこだわりのセンスを感じます。窓からは目を凝らすと世界遺産の平等院も・・・。京町屋のような坪庭はないですが開放感のある抜群のロケーションです。

そんなハイセンスな福寿茶寮で注文したのは定番の丹波大納言ぜんざい。抹茶の色がキレイに入った香ばしいお餅に大粒の丹波大納言小豆を添えて口の中へ・・・。おいしいに決まっていますね！ちなみに、器にうっすらと見えるもう一つのお餅は抹茶ではなくほうじ茶です。どちらのお餅も抜群の風味でした。

丹波大納言ぜんざいを堪能した後は敷地内にある茶園を見学。お茶の京都を目で楽しみます！陽がさしこんでくるとお茶の葉が透明感のある鮮やかな緑色に変身！小規模ですが美しい茶園です。本場の宇治茶で心が癒されました。

あと１ヶ月もすれば興聖寺の琴坂は紅葉一色。東山や嵐山など京都市内の紅葉スポットは大混雑が予想されます。ゆっくりと落ち着いて紅葉を楽しみたいとお考えの方は、ぜひ宇治を代表する紅葉スポット興聖寺へ足を運んでみてください。きっと、深く思い出に残る日となることでしょう。